笑顔の裏側
「先生はいつも笑顔だね。いいなぁ」
ある女の子のお話を聴いていたら、そう言われた。
私は接客業が長く、営業スマイルに慣れてしまい、辛い時ほど笑ってしまう。いつも暗い色の服に身を包み、心も隠して笑っていた。
「笑顔の人は、辛いことを隠しているのかもしれないよ。気持ちは隠さない方がいい。
いつも笑ってなくてもいいんだよ」
自戒をこめて、そう答えた。
偽りではなく、
心からの笑顔が増えることを願って。
女の子は胸の内を「話す」ことで「放す」。よく話してくれる子は心の風通しがよく、安心。
保健室で話す子もいれば、支援員に話す子もいる。教科の教員は忙しいから、子どもたちも空気を読んで、話しかけてこない。
私はこれまで、教室に入れない子のためのふれあいルームや、外国人生徒のための日本語教室などで、いろんな子の話を聞いてきた。
家庭のことで悩む子もいれば、クラスや部活の人間関係に悩む子もいる。皆様々。
でも、笑って自分を偽らなくていい。
辛いなら辛いと話して欲しい。
偽りはいつか違う形で表出する。
私の場合は、病気だった。
辛い事は人に話そう。
友達でもいいけど、学生のうちは大人を頼れる。
幸い学校には、教科以外で関われる大人が少しだけいる。
私はそのひとりとして、お話しをしてもらえたら嬉しいなと思う。
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