親を越える
そういえば私、
母が私を初めて海外に送り出した年齢。
母とは当時離れて住んでいたけど、
留学先に母からの手紙が届いて驚いた。
「私にはひとりで海外に行く勇気はない。
あなたはすごい。誇りに思う。」
頑張ってきた母の元で、頑張って生きてきた私は
母にすごいと言われて、拍子抜けしてしまった。
子どもはどんな素晴らしい親も越える日が来る。
私はいつの間にか母を超えていたのだ。
母は私が海外で成長していくのを喜んでくれた。
それから私が海外の仕事を掴み取り、海外に出かけて行くのを何度も見送ることになる母は、私の仕事中に一度だけ、私の会社に電話をかけてきたことがある。
私の安否確認だった。
南アフリカで私の会社のツアーバスが崖から落ちたのをニュースで観たのだ。
ツアーから帰って上司にそれを聞いた私は、違うツアーに添乗していて無事だったけど、母は私の身を案じて、どんなにか不安になったことだろう。
それでも何も言わずに私を海外へ送り出し続けてくれた母には、感謝しかない。
あの時の母と私は今、同じくらいの歳なのに、
私の娘が海外に旅立つのには、
まだあと10年はかかるかなぁ…
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