名前
父が他界して今年で5年なんですが、
離れて住むようになってから17年も経つと、
本当にいなくなってしまった実感もなくて、
ちょっと変な感じです。
ただ、育ててくれた人にはもう会えない、
ということは確かで。
今は子どもが小さくて毎日が忙しく過ぎていくから、もう少し待ってくれたら、ちゃんと親孝行名前できたかもしれないっていう心残りは、
しばらく消えなくて。
父に付けてもらった名前だけが、
父が私に遺した確かなもの。
娘たちも、この字を受け継いで、
たくさんの人に愛される、
美しい人生を歩んでくれたらいいなと思う。
私はそれを見届けられるように、
精一杯生きていくから。
精一杯、生きていくから。
父が亡くなったとき
この人はなんで死ななきゃならないのか
この人がなにをしたというのか
父の人生は幸せだったのか
そんなことを考えた
なんでそう思ったかというと
やっぱりちゃんと親孝行できてなかったと思うから
結婚式はしなかったし
ろくに帰らなかったし
一緒にお酒も飲めなかった
もっと帰ればよかったって
孫と遊んで欲しかったって
戻らない過去を振り返ると
久美子はそれでいいんだと
父が立っていた
父は笑っていた
ありがとねって
笑った気がした
私、頑張るわ
まだ先長いし
行けるとこまで行ってみて
その先が見えたら帰るから
じゃ、
いってきます
国際結婚した姉は、
義理兄の希望で日本でも挙式し、
父を式に招待しています。
七五三も成人式も振袖を着て、
両親を喜ばせました。
葬儀には帰国し、
長女の務めを果たしてくれました。
参列者への挨拶は、
私の夫が義理息子として務めてくれたのですが。
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