中、高ICT比較


最近、教育の関係者で教育の学びを深める機会がたくさんあり、小中高全て現場を見てきた私には、案外語るべき事柄が多いことを実感している。

最近は連携を意識した校種間の交流も多く、小中間で移動があったり、英語や理科の専科教員として、中学の先生が小学校に入ったりしている。
でも高校は、あんまりないかな。
そこには義務教育の境目があるから。

昨年度県立高校、今年度私立高校の講師で入る機会を頂き、義務教育との比較、公立私立の比較から私が頻回にお話することは、やはりICT活用比較。

ここ最近の教育改革で、教育過程、評価基準が大きく変わり、これに併せて教科書も大きく変わった。基本的には学ぶ内容が増え、中学の内容が小学校へ、高校の内容が中学校へ移行。教科書が変わるだけでも大変なのに、今まで教えていなかった内容を扱うのは、現場の先生方の大きな精神的負担となっている。

加えてGIGAスクール構想の先がけとして、昨年度タブレットが配布された。デジタルネイティブの児童、生徒たちや平成生まれの若手教員たちは案外早く馴染んだけれど、どう活用していいか分からない先生方もたくさんいる。
そんな現状が分かってきた。

さて、本題。タブレット配布2年目の義務教育と、タブレット配布のない高校との比較。
そこにはやはり歴然とした差が存在する。

はっきり申し上げると、教員がICTに明るい明るくないはあまり関係ない。使い方のルールを指定すれば、子どもたちは自ら学ぶ。教員も共に学べば良い。親子と同じ。親も子の成長に併せて共に成長する。その速度には個人差があるし、概して子どもの方が優秀だけど、それで良い。

親だから教師だからといって、いつも上に立つ必要はない。子どもに伴走する良き先輩となれば良いと私は思う。

では高校。まずタブレットがないから学び合いはやりにくい。教師の発問に対して、生徒に話し合って考えるよう指示することはできる。でも課題を与えて、グループや個人でタブレットのアプリで新聞やスライドを作り、発表、提出させることはできないから、全て紙媒体。もちろん採点ツールもないし、データ管理も校務用パソコンから共有データにアクセスしてストックしていくしかない。

これが各教員のタブレットでできたら効率も全く違う。これに早く気づいた先生は、配布を待たず、さっさと個人でタブレットを手に入れて、授業に活用していた。

では公立、私立の違い。これは私はそれぞれ1校ずつしか知らないので何とも言えないが、学校や専攻によって全く違う。大学進学より専門学校進学や就職を意識しているコースだと、よりICT教育を意識しているように思う。社会に近いほどICTを使いこなす力がすぐに必要となるから。

会議や討議がオンラインで行われれば、海外支社のある企業ならそれは英語になる。プレゼン力やビジネス英語の力も必要。即戦力で希望の企業に選ばれたいなら、ICT活用力や専門技術を身につけるために、高校3年間を有効に活用しなければならない。

そんなわけで、昨年度勤務させて頂いた公立高校は、タブレットを授業用に貸与して活用を進めていた。私にもタブレットを貸して頂けたので、音声だけでなくデジタル教科書の映像コンテンツも授業で共有することができた。この学校は卒業生への海外勤務依頼も多いと聞く。やはり即戦力が育っているのだと思う。

で、現在の勤務校は、タブレット貸与も映像共有のツールもないため、音源はCD。私物のBluetoothスピーカーでタブレットから音声を飛ばす程度。たくさん帯活動や話し合い活動を入れるようにはするけど、なにぶんテストが多いから、文化に触れる余裕がない。教科書を進めるだけになっているなという感想。

同じ私立でも国際的なコースに力を入れている学校なら、全く環境は違うだろうから、高校は特色を把握して自らの希望と照合し、自ら学びを得るつもりで選択してほしいと思う。

そんな話を、中学生にも伝えられたら良いな。

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