専門性
「すみません、これ、訳してみたんですけど、このdidって、なんですか?」
カウンターでの質問は、レファレンス以外にもたくさんある。お天気、道案内、ご近所さんやお顔見知りさんの近況報告。そこに専門性は全く必要ない話題にも、にこやかに対応する図書館員半年にして、英語科の質問がきた。
それは、よく来る高校生。目が合うと会釈する仲だった。そんな子は結構いて、むしろ高校生は五年前までこの界隈の学校にいた頃の教え子だったりもするから、私が教免持っているのを承知できたのだろう。
学校現場を離れても、教室や公民館で英語を伝えているから、そんなにブランクはないものの、高校英語は久しぶりだった。が、英文をみたら、カチンとスイッチが入る音がした。
「あぁ、このdidは強調。なくてもいいけど、ないならこのgrowはgrewになる。だからこのdidは動詞ではない。あえて訳すなら、「まさに」とかかな。文脈によって何を強調するのか変わるんだけど、例えばこの「90年代はじめ」を強調するなら、「まさに90年代はじめに急成長した」みたいな意味になるよね。つまりこのdidは、veryみたいな意味」
「なるほど、副詞ですね」
さすが高校生。
対応できて良かった。
てか、嬉しかった。
経験に感謝ダ。
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