母の言葉
母はいつも言っていた。
「あんたの経歴は
他に誇れる素晴らしいもの。
英語は一生の資格なんだから。
大事にしなよ。」
そして私を、一度行けば3カ月以上は戻らない船旅に、何度も送り出してくれた。
ある時、アフリカの寄港地で、
ツアー中にツアーバスが崖から落っこちた。
母は私の会社に電話をかけ、
私の安否を確認したという。
別のツアーに添乗していた私は、
船に戻ってからそれを聞いた。
どれだけ心配を掛けたことだろう。
そんな事があったら2度と、
必ずしも安全が保証されないような旅に、
娘を送り出したくはない。
すごく勇気の要ることだったんだと、
今更知る。
そして、
母の言葉は真実だった。
私は、船は下りたけれど、
結婚してこどもを授かってからも、
英語のおかげでお仕事を頂けている。
親の仕事は、見守ること。
最も難しくて、最も大切なこと。
私も、そんな母でありたい。
あれから7年も経ってしまったけれど。
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