ゆぅちゃんの願い

「ママに赤ちゃんがきますように。」
ある日、4歳のゆぅちゃんが、お母さんのお腹に向かって言いました。

「ゆぅちゃん、赤ちゃんきてほしいの?」
「うん、だってゆぅちゃん、おねえさんになりたいんだもん」
ゆぅちゃんはそう言って、ちぃさな手をあわせました。

お母さんは、ゆぅちゃんはいつもおねえちゃんを見上げていることを、思い出しました。
ゆぅちゃんは、おねえちゃんと同じでないと、嫌だといいます。
ゆぅちゃんは、自分も「おねえさん」になりたかったのか…

「そうか、ゆぅちゃんは、おねえさんになりたかったんだね。
ゆぅちゃん、もう大きいもんね。
でもね、ゆぅちゃん、赤ちゃんはね、
ママのところには、もうこないんだよ。
ママはあんまり丈夫じゃないから、
赤ちゃんがきたら、大変になっちゃうの。

でもね、ママはゆぅちゃんとさぁちゃんが
とっても大好きで大切にしたいから
赤ちゃんがこなくても大丈夫なの。
さぁちゃんとゆぅちゃんが来てくれたから
ママはとっても、嬉しいんだよ。」

お母さんは病気でからだが弱ってしまったことは
ゆぅちゃんにも、なんとなくだけどわかりました。

だから、ゆぅちゃんは赤ちゃんの代わりに、お母さんとずっと一緒にいてあげようと思いました。

おねえちゃんも一緒だから、
きっと、きっと大丈夫。

いつまでも、一緒にいてあげるからね。

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