バスガイドの思い出

「ママこれなぁに?」
長女が見つけたのはキッチンポリ袋。
ではなくて…

「これはね、観光バスの座席用ゴミ袋だよ。」

私は添乗員をしていましたが、
国内時代に時々バスガイドもしていました。

沿線ガイドなどはしませんが、遠足の仕事で台数がたくさん出る時など、またはガイドが付かない仕事の時は、添乗員としてガイドの仕事もしていました。

ガイドはバス会社に所属する乗務員なので、会社も立場も違うけど、ドライバーとは仲良くやらなければ、ツアーもうまく行きません。

旅程の都合で到着時間や経路の要望を伝えると、そんな時間に到着するのは無理だのとゴネる堅物ドラもいるので、お客様以上に気を使う存在。
若い女性添乗員は皆苦労していました。

で、このポリ袋。これは本来業務ではないけど、出発前や宿入れ後の掃除を手伝うときに、座席前にセットするゴミ袋。セットしやすいように、綺麗に四つ折りして仕事鞄にストックして置いたものの名残です。

このポリ袋には、そんな若かりし日の苦労が染み込んでいるのです。

と、そこまでは話しませんでしたが、今となっては懐かしい思い出でした。
下積み時代はいろいろな仕事をしましたが、ガイドの仕事は奥深かったです。

基本、添乗員とガイドは旅行会社とバス会社なので、立場としては添乗員がお客様なのですが、現場では添乗員が乗務員に気を遣っていました。

旅行会社が大口で依頼するような大手のバス会社なら、ドライバーもガイドもキチンと仕事をしてくれますが、ガイドも付けない格安ツアーでは無理な行程で走ってもらわなければならない場合も多く、添乗員はドライバーと協力してツアーを進める必要がありました。

またベテランガイドにも気を遣いました。女性添乗員と女性であるガイドさんは、どちらも車内マイクを使う必要上、変な立ち位置争いがあります。 
 
バスのマイクはガイドのもの。添乗員はなるべくマイクで喋り過ぎないようにする。バスの車内案内はガイドの領域。ガイドの領域には絶対に踏み込まない。

ガイドとの関係が拗れると、融通を効いてもらえなかったり、下手すると意地悪されたりして、本当に厄介でした。逆にバスガイドはバスの女帝みたいに下手に出て味方につけておくと、アドバイスをくれたり、ドライバーとのやり取りをうまく仲立ちしてくれました。

あと、間違ってもガイドがいる時は、
ドライバーに直接話しかけないこと!

今考えると、嫁姑みたいですね。

参考:
〜添乗員トーク〜
皆様、改めまして、おはよう御座います。
この度はナントカツアーにご参加頂き、
誠にありがとうございます。
〜行程案内〜
それでは本日も、事故なく怪我なく忘れ物なく、
明るく楽しく元気よく進めて参りましょう。
どちら様も最後まで、
どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、マイクをガイドさんにお返し致します。

〜ガイドトーク〜
皆様、改めまして、おはよう御座います。
この度は、ナントカ旅行会社様を通じて、
当社ナントカバスにご乗車頂きまして、
誠にありがとうございます。
本日の行程については、先程添乗員様からご案内があった通りでございますので、私からは車内のご案内をさせて頂きます。
朝早く起きられて眠いかもしれませんが、
今暫くお付き合いくださいませ。
〜沿線ガイドへ続く〜

添乗員トークとガイドトークはこれだけ違いますので、ボイストーンもハキハキからエレガントに変えていました。

ガイドの仕事はスカートでやってたのもあるから、自然とエレガントになれたのもありました。

あの頃はいろんなことに挑戦し、自分の可能性を試し、いろんな自分を発見しました。

ある時はエンターテイナー、
ある時はアナウンサー。

人は、何にでもなれます^ ^

kukuu. the worldwide tourleader

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