南極海のような海面

この海面は私に、
鏡のように静かな南極海の海面を思いださせる
This seascape reminds me of the Antarctic Ocean
 Calm like a mirror

南極海に入る前に、アルゼンチン経由の海路には、ドレーク海峡という試練がある。

これがなかなかどうして大変で、ステビライザー付きの客船が左右違った景色になるくらい
激しく揺れる。

初めての人は、絶対沈むと確信する。

しかし私は多分、10回中5回は南周りの南極海経由だったはずなのだけど、こうして生還している。

うっかり寝不足、飲み過ぎだと、クルーでもドレQ(ドレーク海峡通過に伴う体調不良のための休暇)が必要になるのだけど、前日しっかり揺れ対策して臨めば、翌朝は鏡の湖面のような、静かな南極海の海面に出会うことになる。

波のない海に、ゆったりとながれてくる流氷には、極地の貴重な生命が乗っている。
お金を出せば上陸できるけど、国際条約で厳しく制限されているし、こうして船上からでも十分、動物たちを観察できるのだ。

この辺りの動物たちは、人間や船舶にも警戒心が薄く、ありのままの姿を見せてくれる。

乗客同士が、俺は何回クジラの潮吹きをみたとか撮影したとか言って、自慢しあうくらい。
寒さ対策さえ気をつければ、オープンデッキに陣取って、好きなだけ撮影に勤しむことだってできる。

そこまでしなくても、救命ゴムボード(ライフラフト)でバークルーが氷河に接近して氷を採取するのを眺めたり、採取が成功したら手を振って拍手してみたりして楽しめる。

アルコールが大丈夫なら、オープンデッキに設置された南極海限定バーで、南極ロックを楽しめる。

そんな南極海を、思い出してみた。
南国系アジアンクルーたちの
はしゃいだ笑顔と共に。

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