激ムズ⭐︎レファレンス


早番勤務
朝からいつもの男児が来た
昨日もきたけどまたきたよ
お金ないから水買えないよ
今日はお茶ないの?なんで?
カウンターにはなしに来る。
お茶は平日だけだよ。
音の出るおもちゃはだめだよ。
図書館の資料の上で遊ばないよ。
いろいろ伝えたけど、どうも伝わらない。
「ご迷惑になるからやめなさい」
と言いたくはなるが、立場上できない。
結局、外のテラスに誘い出すことにした。
図書館利用ではなく、明らかに暇つぶし。日曜日にひとりで図書館にいくしかない男児にすこし困っている、という、他愛のないおはなし。
※こちら、無惨に破壊された本
セロテープで直してあり、無申告。
まずは申告を。そして、自分で直さないで。
図書館の資料は、みんなの財産です。
必ず弁償になるわけではないので、まずはご相談ください。
こちらで専門道具を使って、、修理しますので。
休館日明けのどっさり返却処理50冊超え。早番ならではの開館準備は業務量過多で朝から結構消耗。
午後はゆったりタイムを経て、徐々に学生ラッシュが来るという流れに、いきなり激ムズレファレンスが飛び込んできた。
その方は実にゆったりと私の前の席に座り、話しだした。
「いや急にね、丸々っていう本が読みたくなってね。確か丸々だとおもうんだけど。いやね、丸々はどーであーで、こーだとおもうんだが、もしかしたらこーかもしれなくて、いや、でも確か、丸々だと思う。うん、丸々だ。どう?ない??」
確実に存在する本を探すのは簡単だけど、ぼやっとしたリクエストから、該当本を探すのが、1番大変。そしてこういうレファレンスが、結構ある。
「数日前の新聞に載った本だけど、タイトル覚えてなくて」
「朝ドラのヒロインに関連する本が読みたいんだけど」
「この本に引用されている詩の作者に関する本、ないかな」
どんなリクエストにも真摯に対応する図書館員。新人もベテランも関係ない。協力して探すこともあれば、今回のようにひとりで対応することもある。
「丸々という本ではないのですが、副題に丸々がついている本ならございました。お取り寄せになりますので、お時間いただきますが、よろしいですか?」
「うん、いいよ。それを試しに読んでみるか。ありがとう」
かなり頑張っても見つからなかったけど、誠意だけは見せられたかな、と。
いや疲れた。
利用者と本の出会いのために、鍛錬の日々であります。
明日も早番。

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