寿司が食べたい
「日常生活が1番の贅沢」
友人の言葉をみて、
父の事を思い出しました。
元々肺を患っていた父は
ある日、自宅から1時間離れた病院で
検査を受け、そのまま入院。
自宅に帰ることは
ありませんでした。
母が出て行って家庭崩壊し
私は不登校になりかけましたが
父子家庭の奨学金を受けながら
大学に通いました。
その時の資格のおかげで
今があります。
でも父が再婚してからは
再婚相手に問題があり
他の兄弟は寄り付かなくなり
私も家を出てからはたまに帰省するくらい。
子どもが生まれてからは余計に
正月に孫の顔を見せにいくくらいでした。
そんな父が病気になり
入院したという連絡は
後妻からではなく、病院の主治医から。
父の病状が悪いのに
家族が誰も来ないと。
どうも県内に娘がいるらしいと。
私は、泣きながら車を走らせました。
父はそれから数日頑張ってくれましたが
日に日に話せなくなり
目も開けられなくなり
孫の到着を待たずに
逝ってしまいました
「寿司が食べたい」
お酒も好きだったよね、お父さん。
後妻は葬儀の後消えましたが
深追いするつもりもありません。
ただ、葬儀で疎遠だった親族が集まり
親戚付き合いが復活しました。
死は終わりではなく
残された者たちの新たな人生の始まり。
「日常生活は最高の贅沢」
その言葉がこんなに染みるのも
大切な人のいる日常を永遠に失ったから
ごめんね、
ありがとう。
おとうさん。
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